双華姫~王の寵姫~

「本来なら・・・今日私と那智華は床を共にしなければならない。周りの空気から分かるだろう?嫁いだ姫の元にずっと行かないわけにはいかないんだ」




那智だって気付いている。



他の姫達は王の訪れのない那智を軽んじ、位は那智の方が高いのに面と向かって馬鹿にしてくるものもいる。





朝廷の方は朝廷の方で、いくら忌み子とは言え、有栖川の姫を蔑にすることは許されないと家臣たちが騒ぎ出していると聞く。




有栖川の権力を面白く思わない人たちからしたら喜ばしい事だが、そういう人たちばかりでもないのだ。




そんな状況で、那智の我儘が通るわけはないのだ。




「しかし・・・ごまかす事はできよう?二人で口裏を合わせれば、本当の事に気付く者もおるまい」




諦めかけていた那智の目に希望が灯る。





本来なら許されぬことを、那智の気持ちを汲み取り、ごまかすと志高は言ってくれたのだ。