「それで・・・世も大分ふけてきましたが、帰られますか?」
帰れ・・・目は口より物を言う。那智の目は志高にそう言っている。
「私と床につくのが嫌ということか?」
お前一応私に嫁いできたよな?言葉に出さない戦いが始まっている。
「嫌とは申しておりません。ただ風邪気味なので、志高様に移しては一大事になってしまいます」
だから帰れということか・・・風邪などひいておらぬくせに。
志高は意地でも部屋に居座ってやろうと、那智にとっては嬉しくない決心を固める。
「それでは私が朝まで看病してやろう」
ニヤニヤと、絶対逃さぬ志高の様子に那智は溜息をつく。
「はぁ・・・しかし主上は姫の元に行っても、朝までは一緒に過ごさぬと聞いておりますよ?
妾だけ特別扱いとは・・・他の姫達の反応がめんどくさい事になります」
めんどくさい。一番しっくりくる言葉である。
恐らく那智と志高が朝まで一緒に過ごせば、その噂は瞬く間に後宮を朝廷を駆け巡るだろう。
今ですら鬱陶しいほどの刺客と嫌がらせが、これ以上増えるかと思うと・・・めんどくさい。
那智の言葉から同じことを考えたであろう志高の顔も、それはめんどうだと語っている。
志高の場合面倒なのは、今以上に那智の父、有栖川当主から文が届くことだ。不幸の文は毎日毎日確実に増えている。
「そうだな。しかし、私が那智華の元を訪れた事は皆知っている。このまま帰っても、噂は消えぬぞ?」
どこまでも楽しそうに那智をからかう姿に一瞬愛する人を重ねてしまいそうになり、那智は志高に見えない程度に首を振る。
「噂は消せませんが、妾の気持ちは違います。はっきり申しますが、まだ志高様と床を共にするつもりはありません」
帰れ・・・目は口より物を言う。那智の目は志高にそう言っている。
「私と床につくのが嫌ということか?」
お前一応私に嫁いできたよな?言葉に出さない戦いが始まっている。
「嫌とは申しておりません。ただ風邪気味なので、志高様に移しては一大事になってしまいます」
だから帰れということか・・・風邪などひいておらぬくせに。
志高は意地でも部屋に居座ってやろうと、那智にとっては嬉しくない決心を固める。
「それでは私が朝まで看病してやろう」
ニヤニヤと、絶対逃さぬ志高の様子に那智は溜息をつく。
「はぁ・・・しかし主上は姫の元に行っても、朝までは一緒に過ごさぬと聞いておりますよ?
妾だけ特別扱いとは・・・他の姫達の反応がめんどくさい事になります」
めんどくさい。一番しっくりくる言葉である。
恐らく那智と志高が朝まで一緒に過ごせば、その噂は瞬く間に後宮を朝廷を駆け巡るだろう。
今ですら鬱陶しいほどの刺客と嫌がらせが、これ以上増えるかと思うと・・・めんどくさい。
那智の言葉から同じことを考えたであろう志高の顔も、それはめんどうだと語っている。
志高の場合面倒なのは、今以上に那智の父、有栖川当主から文が届くことだ。不幸の文は毎日毎日確実に増えている。
「そうだな。しかし、私が那智華の元を訪れた事は皆知っている。このまま帰っても、噂は消えぬぞ?」
どこまでも楽しそうに那智をからかう姿に一瞬愛する人を重ねてしまいそうになり、那智は志高に見えない程度に首を振る。
「噂は消せませんが、妾の気持ちは違います。はっきり申しますが、まだ志高様と床を共にするつもりはありません」



