「那智姫様」
小さく消えてしまうような声だったが、王の元には確かに届いた。
幸也から那智の名前が出てくるとは思っていなかった王は興味がわいた。
「お前は有栖川の姫が好きなのか?」
王の元に嫁いだ以上、幸也が那智を好きだと言えない事は分かっている。
分かっていて王は聞いたのだ。幸也は顔を真っ赤にすると否定した。
「違います!王の姫を好きなど・・・」
あまりの慌て様に王は目を細める。
「まさか、本当に思っていたとはな。幸也は有栖川の姫とは知り合いだったのか?」
幸也はまだ否定していたが、王の問いに答えるように話し始めた。
「幼い頃よく遊んだのです。一の姫柚那姫様と那智姫様、私に弟の柊也、そして第三の位の葛城家次男龍殿と一緒に。那智姫様はとても可愛らしいお方でした。」
昔を懐かしむように話す幸也の目には、確かに那智への愛があった。
小さく消えてしまうような声だったが、王の元には確かに届いた。
幸也から那智の名前が出てくるとは思っていなかった王は興味がわいた。
「お前は有栖川の姫が好きなのか?」
王の元に嫁いだ以上、幸也が那智を好きだと言えない事は分かっている。
分かっていて王は聞いたのだ。幸也は顔を真っ赤にすると否定した。
「違います!王の姫を好きなど・・・」
あまりの慌て様に王は目を細める。
「まさか、本当に思っていたとはな。幸也は有栖川の姫とは知り合いだったのか?」
幸也はまだ否定していたが、王の問いに答えるように話し始めた。
「幼い頃よく遊んだのです。一の姫柚那姫様と那智姫様、私に弟の柊也、そして第三の位の葛城家次男龍殿と一緒に。那智姫様はとても可愛らしいお方でした。」
昔を懐かしむように話す幸也の目には、確かに那智への愛があった。



