「こんな風に足元にいられると、間違って踏んじまうかもしれねーだろ?」


そう言いながら彼は猫を抱きあげる。

ネコは気持ち良さそうにみゃーと鳴く。


「意外とやさしいんだね。」


「.....それ、褒め言葉として受け取っていいんだよな?」


彼は少し不機嫌そうに言う。



「そうだよ。褒め言葉だよ。」


私は少し棒読み気味に言ってみる。


「.....棒読みだな。」


「ははっ.....!ホントに思ってるってば!」



私、初対面の人とこんなに打ち解けたの、初めてかも。