それから帰り道。


それからしばらく、お互い話さずに静かに歩いていただったのだけれど。


「おっ...猫。」


「えっ...?」



彼が指さした方を見ると、確かに、しましま模様の猫がいた。



「.....これ、なんていう種類なんだろうな?」


「私も、分かんないかも...。」


そう言いながら私は、猫の傍に寄って、頭を撫でてみる。


すると、猫は気持ち良さそうに「にゃー」と鳴く。

私はなんだか嬉しくなって、思わず笑顔になってしまう。




「かわいーな。」


「うん、そうだね...。この猫、飼い主さんいるのかな?」


「.....猫のことじゃ、ないんだけどな。」


彼のそんなつぶやきも聞こえず、私はしばらくネコと戯れていた。


するとネコは、今度は立っている彼の足もとにすり寄る。


「お、おい...。」


慌てる彼に私は尋ねる。


「もしかして、猫嫌い?」


「いや...嫌いじゃねーんだけどさ。」