「百合香ー!行くよー!!」


突然親友の瑠璃に呼ばれて我に返った私。


今日は、年に一度の夏祭り。


だけど...私にとっては、

最悪な日になってしまった...。


帰り道をとぼとぼと歩く私。


すると瑠璃は、そんな私の様子に気付いたようで、


「どうした?百合香。何かあった?」


「.....ううん。」


さすがに、あの夏祭りの喧騒のなか、携帯落としちゃったなんて、言い辛いよ.....。



「そう?ならいいんだけど.....。」


瑠璃は不満そうにしながらも、それ以上は何も聞いてこなかった。


携帯落としちゃったなんて瑠璃に言ったら、

瑠璃は絶対、見つかるまで帰らない...なんていいそうだからね。

そんなことしたら瑠璃の両親にも迷惑だし、

明日、私一人で見つけなくちゃ。