遡ること××時間前、彼らこと"二階堂アリス(ニカイドウアリス)"、"宇佐美烈汰(ウサミレッタ)"、"帽子屋守來(ボウシヤカミラ)"、"寝子小豆(ネコアズキ)"の4人は、理由もわからず教室に残されていた。
だが晴れる、という予報が外れてしまい、雨が降っている今、傘を持たない彼らからすればとても有り難かった。
「…ていうか何で俺ら集められたんだ?」
宇佐美が眉間に皺を寄せ、訝しげに呟く。
聞いていたのか、いつの間にか眠ってしまっている寝子と呟いていた宇佐美以外の二人がわからないと首を振る。
「集められた理由も曖昧だしなぁ…」
もう一度呟いて、ため息をつく宇佐美。
「何だっけ、理由」
帽子屋が校則違反の縦長帽子を机に置き、ヘアバンドで髪を掻き上げた。
「確か、"大事な用がある"って言ってたよね。…結局その"用"が何なのかもわかんないまま放課後になっちゃったけど」
ずっと黙っていたアリスが答え、やれやれと肩を上げた。