甘党なアイツ







「おぉい、キミ〜。」





声を掛ければ、ふいっと振り返った。





真っ黒な長い髪の毛が

その動作につられてなびく。



でも、俺の顔を見たとたん
苦い顔をしてまた歩き出した。










「えー。待ってよぉ〜。」





だらだらと追いかける。








それに応えるように彼女の足は速くなる。





ガシッ





肩をつかんでこちらを向かせる。