~のんかside~
走ろうか、迷っていたあたしの前に
誰かが立っていた。
もちろん、ほとんどの人はその人にぶつからないように避けるだろう。
あたしもその一人で。
髪を一つにくくりながらその人の横をすり抜けた時だった。
フワッと、懐かしい香りが鼻を掠めた。
一番会いたくなくて、一番好きだった・・・
「のん、久しぶり。」
あぁ、聞きたくなかった。
この声を聞かなければあたしは立ち止まらなかった。
香りが似ているのは、偶然だって思えた。
でも、振り向くしかなくなった。
ここで無視したらサイテーな奴だ。

