「お前・・・いいの?」 「あ、うん。なんかだいぶ楽になった。」 そう言って、黒髪を生ぬるい風になびかせて保健室を出て行った。 あいつ、体育祭でるのかな。 立ち上がって、俺も後を追うように保健室を出た後だった。 「・・・・・・・嘘つきじゃん。」 かすかに、どこからか。 電話口で聞いた、あの声が聞こえたような気がした。 「ごめん。のん・・・・ やっぱ俺、まだ好きだ・・・」 その男は、そう呟いてグラウンドに向かって歩き出した。 その事を、俺を含めた誰もが・・・まだ知らない。