みんなに、悪いことしたな——・・・ 「・・・っひ!!」 目をつむって、必死に考えを巡らせていたあたしの唇に 何かが触れた。 おそるおそる目を開けると、渡辺が意地悪な笑みを浮かべて あたしの唇を弄んでいた。 「な、・・・っ!!」 つつ、と細い指をあたしの唇に這わせながら 渡辺は『話せよ』口パクで合図をした。 「・・・のんか、です。」 渡辺の手を最大限に遠ざけながら 震える声で話しかけた。