「隠してるね。なんか。 あたしに言いたくないでしょ? ・・・無理に聞かないからいいよ。」 あたしは、ポツリ。最後の言葉を小さくつぶやいた。 「あぁ。誰にも言いたくない。今まで言ったこともない。 ただ・・・ ——お前にはいつか、話せそうな気がする。」 びゅう、と少し冷たい風が ひときわ大きく屋上に吹き付けた。 「え?なに。なんて言った?最後。」 風のせいで聞こえなかった。