「…夕陽に似合わないね」 「お前なっ」 「うそ。あたしも夕陽好きだよ」 無条件に胸が高鳴る。 たとえ、俺の求める気持ちが入ってなかったとしても。 今はこれで満たされる。 「……じゃあ、あたし行くね…」 「…おう」 教室から去っていく君の後ろ姿を見つめる。 残ったのは俺と君が残した「ありがと」の余韻だけ。 俺はまた、恋人の隣で笑う君を見て。 君に想いを重ねる。 ――…俺は、恋人の隣で笑う君を好きになった。 END