ジャック ザ リッパー




――…かくして、殺人鬼は誕生した。




石畳の街は凄く綺麗だ。

欲望という汚物を孕んでいるくせに、着飾った場所は凄く綺麗だ。



ああ、きれい



美を飾る光は彼の眼球をジリジリと焼く。


痛い。


痛いよ。





――…このままじゃ殺されてしまう。

こんなに綺麗なところじゃ彼が生きるには辛すぎた。

『汚い』彼を蝕んで、いつか、きっと消してしまうから。








だから


そう、壊せばいいじゃないか。