そんな笑顔で変なこと言わないでよ。
何でか分からないけど、ドキドキしそうになっちゃうから。
「でも、わざわざ家まで来てもらったわけだし……」
「そんなんどうでもいいって。俺送った後に何かあったら困るし」
もしかして気づかってくれてるのかな?
何か今日の大翔って優しいかも。
「だったら少しだけ送らせて、ね?」
お願いするように大翔のシャツを少しだけ掴みながら言う。
大翔のおかげで怒られなかったわけだし、送るぐらいどうってことないもん。
それに……もうちょっと大翔と一緒にいたいって思ってるあたしもいる。
「……行くか」
ボソッと言った大翔はさっさと歩きだした。
顔はあまり見えなかったけど、耳が赤く染まってた気がする。
それはあたしの見間違いだったのかな?