大翔は少し黙りこんでから、あたしを離して目線を合わせる。



「そうだけど……引かねぇか?」



真剣な大翔に頷いた。


「杉本は彼女じゃねぇ」


「へ?」


彼女じゃないのに、二人でいるの?



「中学の時の俺、女にだらしなくてさ。遊び激しかったんだ……」


「…………」


「だから……杉本も」


「…………」


大翔は不安そうに顔を覗き込んでくる。



「あっでも、鈴見た時からきっぱりやめたから」


「…………」


「サイテーだろ?引いた?」


「ううん。だって今は……あたしだけ、でしょ?」



大翔と視線を合わせて言う。