大翔は少し黙りこんでから、あたしを離して目線を合わせる。
「そうだけど……引かねぇか?」
真剣な大翔に頷いた。
「杉本は彼女じゃねぇ」
「へ?」
彼女じゃないのに、二人でいるの?
「中学の時の俺、女にだらしなくてさ。遊び激しかったんだ……」
「…………」
「だから……杉本も」
「…………」
大翔は不安そうに顔を覗き込んでくる。
「あっでも、鈴見た時からきっぱりやめたから」
「…………」
「サイテーだろ?引いた?」
「ううん。だって今は……あたしだけ、でしょ?」
大翔と視線を合わせて言う。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…