―大翔Side―



はぁ!?

いきなり気を失ったのか、寝たのか。



俺に体を預けて、目をつぶっている鈴。


本当、心配ばっかかけやがって。



南野がグランドまで来た時は、心臓が止まるかと思った。







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「はぁはぁ。早瀬くん、いる?」


息を切らしながら、グランドまで入ってきた南野。


「晴香ちゃん、どうしたの?」



康太が駆け寄って話しかける。

コイツ、最近南野のことばっかり話すんだよな。




「早瀬くん。早瀬くんを呼んで!!」


妙に取り乱している南野に、ただ事じゃないと思った。


俺は南野のすぐ近くまで走った。