「そっか。なら仕方ないね。じゃあまた明日」


「うん。また明日」



そう返したら、晴香は手を振って教室を出て行った。

大翔は、最近部活が忙しいみたいでもういない。


いつもは大翔の部活を見て、終わるのを待ってるんだけど。




あたしはグランドには行かずに、体育館に足を進めた。



体育館裏って初めてくるけど、薄暗くてちょっと怖い。




そんなことを思いながらも、ちゃんと向かう。


行かなかったら、何かしてくるような気がするから。




体育館からちょうど裏に回ったところに、壁に背中をつけて立っている杉本さんがいた。



「やっと来たわね。呼ばれた理由、分かってるんでしょ?」


腕を組んで言う杉本さんは、すごい迫力がある。

あたしよりずっと背が高いから、余計。




「まだ大翔と別れてないの?手紙で教えてあげてるのに」



やっぱり杉本さんだったんだ。

その言葉で確信に変わった。