キーンコーン……


一時限目の終わりを知らせるチャイムが、学校中に響いた。




もう戻らないとね。


「大翔、教室行こ」


まだ一緒にいたい気持ちもあるけど。

サボりすぎたらさすがに、ね。



「あぁ。鈴、ありがとな」

「いえいえ」


お礼言いたいのはあたしの方だよ。




杉本さんのことで不安だったのが、今はその不安がほとんど消えている。


大翔と一緒にいたからだね。




「また……ギュッて、してね?」


それだけで落ち着くから。

不安なんてすぐに消えてしまうから。



「んなかわいいことあんま言うなよ。襲いたくなんだろ」