「……うん」
恥ずかしそうに頷く鈴。
かわいすぎだろ。
「あげろよ。当ててもらえないぞ?」
まぁあげても当たるかどうかわかんねぇけどな。
だけど、俺の考えは甘かった。
「はい!はーい!!」
一番前の席で手をあげながら声を出す鈴が、目立たないわけがない。
案の定飼育員は鈴を見た。
「あ、じゃあそこのかわいいお嬢さん」
「あー無理だった……」
は?
鈴は何を言ってんだ?
「オマエのことだろ?」
「えっ!?だって“かわいいお嬢さん”って言ったから違うよ」
「いいから行けよ。触りたいんじゃないんのか?」
その言葉に反応してか、立ってすぐに前に出た。