けど、どこだっけ?


小学校低学年の時以来だから忘れちゃった。



「えーっと確か……こっち?」


「バーカ!あっちだよ」


そう言ってあたしが指した方と反対の方向を指した大翔。




あれ?



「鈴一人じゃ危なっかしいな」


「大翔がいるからいーの!」


「まぁな」



大翔はあたしの手を掴み恋人つなぎをした。



「これで絶対迷子になんねーな」


「な、ならないよ!」


繋いだ手から体温が伝わってくる。


何か恥ずかしいけど、やっぱり嬉しい。

いつになったらこの恥ずかしさに慣れるかな?



手を繋いだままイルカショーの場所に行く。


ポップコーンがあったから一つ買って席に着く。



「やったぁ!一番前」

しかも真ん中だからよく見える。


あたしはポップコーンを食べながらイルカショーが始まるのを待った。