「鈴ちゃん。一緒に帰らない?」
誰だか分からない人に誘われる。
これで何人目だろ。
「ごめんね。用事があるから……」
あたしはさっきからこの言葉ばかり言ってる気がする。
「そっかー。じゃあまた今度一緒に帰ろうね」
手を振って教室から出ていく人に、軽く手を振りかえす。
今日はいろいろと疲れちゃった。
地味子やめない方が楽だったかも……。
ちょっと後悔して後ろの席を見る。
鞄は置いてあるからまだ部活にも行ってないみたいだけど。
「鈴~。説明してくれるわよね?」
あたしのところに来て、有無を言わせない勢いでそう言った晴香。
「は、はい……」
何か怖いから素直に返事をする。