今はちょうど休憩中みたいで、みんなテントのところで給水してる。
「キャ――王子きたぁ!!」
「早瀬くぅ~ん」
うるせぇ。
俺だって来るよ。
「コラッ早瀬!遅れてんぞ」
「すんません」
「さっさとアップして練習に入れ」
「はいっ」
コーチに返事をしてからすぐにアップを始める。
アップをしながらも、フェンスの前にいる女達の中に鈴がいるか探している俺。
でも鈴は見つからない。
いたとしてもちっちゃい鈴は隠れてるだろうけど、俺なら見つけられる。
鈴なら見つけられる自信がある。
だからあの中には鈴はいないんだろう。
もしかして俺って……嫌われた?
もともと俺のこと好きだったわけじゃないんだろうけど。
もう鈴が俺のこと“好き”って言うのを待つのは止めだ。
嫌われてたとしても、気持ちだけは伝えとこう。
そうと決まれば練習!
康太に勝って鈴に告ってやる!!