「俺のだから字汚いけど」 『え?』 「まだ書き終わってないんだろ?」 『あ、ありがと。…あ、でも先生に用事』 「急ぎじゃないから、ゆっくりでいいよ」 『…ありがと』 写させてもらっている間、神宮寺くんの視線が気になり顔を上げると、「あ、ごめん」と言って神宮寺くんは私から顔を逸らせた。 写させてもらったことや待ってもらっていたことが有り難くも申し訳なくもなり、私はノートを半分持って行くことにした。