【短】Oneself


でも、答えを返してくれなかったあの時から、私は、ママにさえ必要とされていないのだと理解した。


どんなに失敗をしてもママが怒らなかったのは、私を認めてくれていたからじゃなく、私を見ていなかったからなのだと理解した。


どうして生きているのか分からなくて、だんだん生きることが嫌になっていた。


それでも生きていたのは、ただ死ななかったからだった。


そんな、ただ死なない毎日のなかで唯一私を認めてくれた人がいた。

神宮寺翼、私の彼氏。

あの時があったから、私は今、笑顔でいられる。