「あなたこそ、名前言いなさいよ!」



私はそんなこいつの態度が我慢できずについそう言った。


男はポカンと口を一瞬開いたかと思えば次の瞬間にはニヤリと笑っている。



「あんた、中々いいね。俺の名前は伊達成実。殿の御付きの者だ」


「私の名前は、砂倉愛弓よ」



なんだかよくわからないけど、お互い自己紹介をする。



やっぱり、この成実さんは政宗に似てる。

目があって、その吸い込まれそうな瞳が似てる。



「成実…さんって政宗の…兄弟?」



すごく似てるから。

その瞳だけじゃなくて。



雰囲気も、声も。




「いーや。俺は従兄弟だ」