ちょっとちょっと。


こんなものって私のことだよね?

それってちょっと失礼。


そう思ったけれど、そんなことよりも別のものの方で私の頭は一杯だ。



「あの…私って買われたらそんなにダメだった?」





私、すっごいやばいことしちゃったんじゃないかって。

小十郎さんがこんなにも怒ってるし。



「い、いや愛弓を助けることは全然いいのだが…その…」


何か気まずそうにじっと私を見る。

やっぱり何か悪いことなのだろうか。



「その、人売りから買った女を側室に入れたと、巷で女にだらしないと噂だってしまうから…」




小十郎さんってほんと、政宗のこと考えてるんだ…


そう考えると私ってすごく軽率な行動をしてしまったんじゃないだろうか。


小十郎さんのその言葉を聞いて、とても申し訳ない、と思う気持ちが溢れてきた。



それと、


「小十郎さん…ごめんなさい…」











私なんかは政宗の横に並んじゃだめなんだって思った。