翔る。




固く警護された城門をなんとか開けてもらって、私たちは城の中に入った。


人身売買に興味はない、と何度もそう言って政宗に断られたからだ。




まあ私が売られるなんて知るわけないから仕方がないよね。






私を捕らえたお偉い三人のおじさんが大広間に入って私は廊下で待っていた。

部屋の中から話し声が聞こえる。




「で、俺に売りたいものとは何だ?」




あ、政宗の声だ。


久しぶり聞く、低すぎない優しい声だ。



「ええ、絶対に買って損はない品物です」


人を品物扱い!?

やっぱり人身売買のやつらってろくな奴らじゃない、なんて考えていると急に中から声が掛けられた。




「おい、早く入って来い」




と、とうとう運命のご対面ってやつ。



これで私のこれからが決まる。