伊達政宗side 「唯一持つその左目には何が映っていますか?」 ドクンと心臓が波を打った。 俺はそっと右目を押さえる。 空っぽの、右目を。 「あなた様の目には兵の疲労が見えませぬか?」 「…っ」 知っている、そんなことは。 少し前からわかっている。 「それでも」 そう、それでもすぐにあいつの城を。 畠山義継の二本松城を、壊したい。 すべてを滅ぼしたいのだ。 「何故わかってくれんのだ」