私がここに来てもう5日が経った。
布団からでて、襖を開く。
私の部屋の前は縁側になっていて、直接に太陽の光に当たる。
「んー、今日もいい天気だな」
私は大きく伸びをする。
身体のあちこちが痛い。
ここでの暮らしはある程度は慣れたのだが、どうもあの布団の寝心地だけは慣れれないらしい。
だって現代の布団はあんなにもふかふかなんだもの。
「んっ?」
庭を挟んだ向こうの廊下にバタバタと忙しなく往来するたくさんの人が見えた。
…何かあったのかな?
「さくら様」
丁度良いタイミングで女中が訪れた。
桜じゃなくて砂倉、ね。
何回言っても治らないのでもう何も言わないが。
「椿さん、おはようございます。」
ちなみにこの女中は椿さんと言って、つい先日から仲良くさせてもらっている。

