河川敷まで一緒に降りてくれた彼。

「流れ結構速いなぁ。」

川のふちに立って彼は呟いた。

私の携帯は川の真ん中あたりに落としてしまった。

川幅は多分100m以上あると思う。

少し落ち着いて、嗚咽が止まった私は靴と靴下を脱ぎ始めた。

「・・・なにやっとん?」

彼は顔を赤くしビックリしたように言った。

「なにって・・・川入るんだし脱ぐでしょ。」

「・・・えーっ!!!嘘やん。普通俺が入るやろ。」

声の大きさに少しびっくりした。

「だってあれ私のだよ!?」

「けど――。えーっと名前・・・」

「あぁっ、里山 美希(さとやま みき)です。里山はそのままで、美希は美しいに希望の希で、里山 美希。」

「美希ちゃんね。OK。俺は北村修介(きたむらしゅうすけ)。修くんって呼んでやぁ。」

えっ...修くんって...。

初対面なのに。

「修くん...?」

「何?」

「な...なんでもないっ」

ボソッと呟いた声が聞こえたらしい。

恥ずかしい...。

「まぁ、話戻すけど、俺がおのに女の子の美希ちゃんを川にはいらせるわけにはいかへんのや。」

「えっ・・・」

そういうものなの・・・?

「ほな、いってきます。」

そういって彼...修くんは靴と靴下を脱いで川にザブザブ入っていった。