目覚ましよりも早く起きたのはいつぶりだろう。

「清々しい朝」

そんな表現がぴったりの朝だ。

カーテンを開けると太陽が少し眩しかった。

…おかしい。

今は10月。

私が目覚ましをあわした時間は6時。

いつもなら日が出ているか、出ていないかぐらいだ。

なのに太陽はすでに結構上がっている。

時計を確認すると…

「7時46分…」

あぁ…。終わった。

遅刻だ。

急いでベッドを降りようとすると



―カサカサッッ


聞き覚えのある大嫌いな音が耳にはいる。

恐る恐る音のするほうに目をやると・・・

黒光りする硬そうなフォルム。

あぁ。

もう嫌だ。


そのあとどうやって部屋を出たのか私は覚えていません。