さし君と私は、毎月身体測定が終わるとどちらからともなく
「何センチやった?」って、答え合わせのように言い合った。

転校して来た4月から数ヶ月で、さし君は私の背を追い越していった。

廊下で背くらべしてたら、

「またやってる…。ほんと仲いいね。」

擦れ違いざまに、さし君のお姉ちゃんが冷やかしてった。

ドキドキが背中越しに伝わりそうで恥ずかしくて、
お互い急に離れたね。

さし君の真っ赤な顔。

そして、きっと私も同じだったよね。



同じ気持ちでいてくれたら…って、少し期待したんだよ。

でも「好き」って気持ちは、まだ言えなかった。