私の一方的な手紙からしばらくして、さし君からの返事が届いた。



『素直に伝えてくれてありがとな。もっと逢えたら、寂しい想いさせなかったら、近くにいられたらって思うけど、気付くの遅すぎたよな。

もし、どっかで会った時には声かけてや!
俺はこれから受験勉強頑張るわ。お前も、勉強も部活も頑張れよ!
今までありがとう。』




最後まで優しいさし君。


全然素直じゃないよ。
本当は他に好きな人なんかいなかったのに…。
さし君以外いなかったのに、なんであの時『嘘』ついちゃったんだろ。



自分でついた『嘘』が、心の奥にぽっかり穴を空けてしまった。