〜〜卒業式当日〜〜

式は着々と進み、卒業生が退場する頃には、卒業生以上に私が泣いてた。

バレないように、屋上へ続く階段で泣いてたのに見つかった。

今思えば、あんまり人の来ない所だから、探しに来てくれたんだよね。


「なんで泣いてるん?お前ちゃうやん…。変な奴やな…。」


笑いながらそう言うと、私の頭を「ポンポン」ってしてくれた。

小5の私には、それだけでも凄いこと。

けど、教室へ戻る階段を、手を繋いで下りてくれた…。


転校してきた4月から、私の背は10㎝も伸びたのに、横に並んださし君の背は、それを軽く追い越してた。


繋いだ手が恥ずかしくて、それ以上顔を見れなかった。