うろこ雲




突然彼は元気を取り戻して話始めた。

よっぽどお腹がすいていたのだろう。


「子供…なの?」


二人を見てから私をスーッと見る。


『まさかっ、弟と妹です♪』


「親は?」


そう言って親をキョロキョロと探す。


『あぁ…』


何故かもごもごして下を向いてしまう自分がいる。


なんて言おう。


「うちはお母さんが死んでいないんだ♪
お父さんも遠くにいる。

だからおねぇが全部やってる!」


コウははっきりとなんのためらいもなく当然な顔をしてそう言う。


「へぇー、そうなんだ」

そう言ってまた部屋を見る。


『なんかわからない事だらけですよね。

名前は?』


「海斗」


『海斗…』


「お前は?」


優しく猫のような瞳で私をジーッと見る。


『私は優奈

で、こっちがコウでこっちがハル』


満足感のある表情でコウはずっと海斗を見ていた。