「あの、タオル勝手に使ったから」
気づいたら隣で男はそう言って濡れたタオルをそっと渡す。
髪は少し濡れている。
お父さんが着ていたダサい普段着が全く別のもののようにみえる。
かっこいい…。
そう思う私がいる。
『あっ、それはそこのカゴに入れて?
後、そこの引き出しの上から二番目に小さなタオル入ってるからそれで髪ふいていいよ♪』
いつもより一つ多いコップに牛乳を入れる。
「あぁ」
『ほら、ご飯出来たよ♪』
二人はバタバタと走ってちょこんと椅子に座る。
「おねぇ!
今日は豪華だね」
『うるさいっ、そういう事言わないの!』
そういうとハルがクスクス笑う。
「ヤクザもきなよ!」
コウはそう言って牛乳を飲み口の周りにいっぱいつける。

