うろこ雲




『とりあえず、起きます?』


そう言ってゆっくりと布団をはぐとシーツは真っ黒になっていた。


わっ、最悪。


『あの、具合は?』


緊張のあまり手は少し震えていて心臓の音が自分でも聞こえた。


「頭いてぇ」


そう言って髪をくしゃくしゃにして辛い顔をする。
ベッドから起き上がると私よりずーっと背が高い彼に再び驚いた。



えっ…。

こんな身長あったんだ。


『熱があるのかも、、、ですね』


そう言って朝ご飯を作り始める。
温かくなるようなお味噌汁にご飯に栄養のあるお魚に卵焼き。


「おねぇ、ビニール袋!」


コウは昨日買ったビニール袋を探して走りまわっている。


『そこの机上においたー』


「ないよー」


『あるからちゃんと見て!』


そうしているうちにハルが起きてくる。
眠そうな顔をして片手にペンギンの人形を抱いている。