うろこ雲




彼はまだ震えていた。


『寒いかな』


そう思って節約中の暖房をつけストーブをおく。


顔をタオルでふく。
どんな顔か認識する以前に真っ黒になったタオルを見て驚いた。



真っ黒……。
この人どんだけ洗ってなかったの。


って事は私のベッドも真っ黒かな。





最悪。

明日洗わなきゃ。


「おねぇ」


コウは心配そうにヤンキーを見ている。


「大丈夫かな?」


『きっと大丈夫。』


「おねぇ、人助けたね」


コウは尊敬の眼差しで私をみた。


『うんっ、コウもちゃんと困ってる人を助けたねっ、

偉いね。』


そう言って頭をなでて抱きしめる。


『さっ、夜ご飯だっ♪』