私達は恐る恐る彼の方向へと歩く。
近づくとフードをかぶって体操座りして顔を伏せているから顔が見えない。
凄い怖い人だったらどうしよう。
そんな不安を抑えて、、、私は彼に言った。
『あの、こんな所にいたら風邪ひきますよ?』
いつでも逃げられるくらいの距離をあけてそう言う。
コウはジーッと彼を見ている。
………。
無言??
何?
死んでる?
『あのっ』
恐る恐る彼の肩をトントンッと素早く叩く。
まるで気持ち悪い爬虫類に触るような、そんな扱いだ。
……。
また無言?
「おねぇ、この人全然動かないよ?」
ハルはそう言いながら彼の肩を平気でポンポンと叩く。

