だけど、今回は別。
いくらなんでも悪そうで怖そうな人を助けてあげられない。
人には優しく。
もちろん、私はそう思ってるけど。
あの人を助けたら、きっと二人にも悪影響な気がする。
『いいよっ、行こう!』
だけど、何故かほっとけない。
私が明日またここに来て彼が死んでたら?
彼は昨日から何も食べてないのかな。
こんな場所で餓死されたら私はまたお母さんと同じ事を繰り返す事になる。
だけど、相手は他人。
しかも悪そうな人。
「おねぇ、困った人は助ける」
ハルとコウはそう言って私を強い眼差しで見上げる。
私、矛盾してるな…。
でもどうやって助けるの?
あっ、せめて傘だけでも渡そう。
そうすれば、、、

