うろこ雲




昨日と全く同じ格好に同じ体制。
同じ場所。


もしかして、ずっとあそこにいたのかな。


何してるんだろ。


家ないの?
もしかして、ホームレス?

こわっ。

やっぱりヤクザ?
ヤクザなわけないか、、、ヤンキー?


関わったら怖い事になりそう。


『ほら、行くよっ
台風来ちゃう』


ぐいっと手を引っ張る。
だけどコウは一歩も動かない。


「おねぇ、あの人死んじゃうよ!」


死ぬ?
なんで…。

けど、死ぬ。って言葉に私は弱くなっていた。

あの日以来死が怖い。


『けど、、、』


「おねぇ!
助けないの?」


コウは純粋な心を持ってる。

困った人は助ける。
私は母が亡くなって以来それが口癖だった。

私は母の苦しみを助けてあげられなかったから。

せめて、二人には人を助けてあげられるような人になって欲しかった。