うろこ雲




『おねぇ、外出たくないー』


あくびをしてソファーにゴロンとした。
今日はちょっと疲れている。


「おねぇ、明日までにビニール袋いっぱい持ってかなきゃ」


コウは思いついたように私に言う。


『ビニール袋?』


「学芸会の劇で使う」


学芸会…そんなの初耳だった。
劇、、、私も確か小さな時やったな。


『劇なにやるの?』


「鳥の学校!」


楽しみな顔をしながら元気よく言う。


『ビニール袋はなんで使うの?』


「衣装!」


『あぁ、、、じゃあ行かなきゃ』


憂鬱そうに席を立ち上がって財布を持ちいつものパーカーを着る。
ハルもコウも温かい洋服を着る。


『危ないからしっかり捕まること!』

二人は私の手をギュッと握る。
小さい手は私の手の中にちょうど収まる。


「うん!」


外に出た瞬間強い風が私達にあたる。
台風は後二時間で到着するというのに今の天気は本当に最悪だ。


スーパーはマンションから二分行ったところだからあまり距離はない。