『見ちゃ駄目だってば!』


ぐいぐい引っ張っているとその男はキーッと鋭い瞳で私達を見る。


「おねぇ、あれ、外人かな?」


ハナは楽しそうに飛び跳ねてその人を見る。


『違うよ、染めてるの』

「染めるって?」


そう言うともっとこっちをガン見して怖い顔がみえる。


『わっ、こっち見た。
はやくっ、いくよ!』


私達は小走りで逃げた。

怖い怖い。
こんなところにヤクザなんかいたっけ?

比較的安全な場所のはずなんだけど。


あんな人初めて見た。


こんなところにそういう人いるんだ…。