【短編集】君に届いてほしいから─春─






ぼーっと見ていると渡辺葉也は突然視線をあげて、その切れ長な目は私を捕らえた。



「あ、わかめ、今日放課後ひま?」



とくん、と心臓が音を立てた。


一瞬でも何を期待したんだろう。



「中庭掃除手伝ってくんね?」



コイツはこういうやつだ。