いつの間にか肌をさすような冷たい風も丸くなって、静かに頬をかすめていく。


「ねー、翔ちゃん。」


「んー?」


間延びした返事はいつもと変わらない。


「もうすぐ卒業だね」


「あー…そだなー」


それでもそんな背中越しに伝わる声が好きで意味もなく話しかけたりして。