【短編集】君に届いてほしいから─春─





「ったく…、遅刻すんなってゆっただろー?」


ん、と短く口にしながらいつものように荷台を叩く。



あともうちょっとで学校に着いちゃうけど。



それでもぎゅっと手を腰に回した。



「卒業式おわったら、正門な。」




翔ちゃんの背中の温かさを、肌で覚えていたいから。