【短編集】君に届いてほしいから─春─






翔ちゃん……。



走っていた足もいつの間にか止まって…、




言葉にできない虚無感が今さらに広がった。



私、ほんとは翔ちゃんと離れるなんて寂しいんだよ。



「…ゆめ、結芽ーーーっ!!!!」




私、翔ちゃんが好きなんだ。




顔を上げて声のした方を見る。


……ほんとは見なくたってわかるけど。







─…翔ちゃんは、私が会いたくなったらいつも会いに来てくれるもんね。