【短編集】君に届いてほしいから─春─




部屋に入ると窓から赤い光が差し込んで揺らめいていた。


倒れ込んだベッドからは太陽の匂いと私の髪のシャンプーの香りとが混じる。




………明日、か。



15年間、ほんとにいつも隣にいてくれた翔ちゃん。


泣き虫で弱虫な私の手をいつも引っ張ってくれた。



大丈夫だよ、って自分が涙目になってても、私の繋ぐ手に力をこめてくれてた。





そんな翔ちゃんを…好きになったのはいつからだろう。