【短編集】君に届いてほしいから─春─




…といっても隣の家だけど。



「結芽帰ったのー?」


「うんただいま。」


リビングのドアを開けると甘い匂いが広がっていた。



「ケーキ?」



「そう、翔太くん明日…出発でしょ?」



明日…。




「…うん。」